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琉球大学医学部附属病院臨床研修医と沖縄県医師会との懇親会

安里哲好

常任理事 安里 哲好

研修医1年生の皆さん

去る平成18 年4 月3 日(月)琉球大学医学 部・がじゅまる会館にて琉球大学医学部臨床研 修医およびR y u M I C(R y u k y u M e d i c a l Interactive Collaboration)研修医と沖縄県 医師会との懇親会が開かれました。

懇親会に先立ち、7日間にわたる研修医オリ エンテーションの最初の日に宮城信雄会長より 「地域医療について」、真栄田篤彦常任理事より 「医師会の事業と医賠責」と題しての講演が行わ れ、その後、懇親会が18時から開催されました。

宮城信雄

沖縄県医師会長 宮城信雄会長

宮城会長は挨拶の中で、「医師の第一歩をど この病院でスタートするのかと言うのは、非常 に大事であり、その医師の一生を決める所にな るであろう。医療現場というのはいろいろな事 が起こっています。指導医がおり、患者さんが おります。医療をとりまく現場は非常に厳しい ですが、一番大事な事は患者から学ぶ事だと思 います。いろいろな事が起こっても、いろいろ な問題が起こっても、その解決の場というのは 医療の現場にあります。幸いにも、大学や、あ るいはハートライフ病院(RyuMICの病院)に は立派な指導医がおります。その中から、やは りその先生方の生き方を学んで、是非立派な医 師に育って頂きたいと思います。」と述べてお られました。

瀧下修一

琉球大学医学部附属病院 瀧下修一院長

瀧下修一琉大医学部附属病院長は、オリエン テーションの初日に宮城会長、真栄田常任理事 から素晴らしいお話をいただいた事、またこの ような懇親会を沖縄県医師会主催で開いた事へ のお礼の言葉を述べられ、また「RyuMIC(琉 大医学部附属病院臨床研修病院群)および RyuMICプログラムに参加している病院の研修 医の先生方にも集まって頂こうということで初 日にした。」とも理由を述べておられました。 「RyuMICの由来は、Ryukyu:琉球という地元 を愛し、地元を見つめながら、そして、 Medical:高い医療と豊かな学習環境・研修環 境の中で、Interactive:琉大病院、それから、 協力型の病院、診療所が双方向の連携をとりな がら、Collaboration :研修医、それから指導 医、病院と連携を取る事を願ってRyuMICと名 づけたとの事です。そのような交流の意味合い も含め、そしてこれからの研修が非常に素晴ら しいものになるひとつの出発点として、この懇 親会を盛り上げていただきたい。」と述べてお られました。

伊藤ゆい

研修医1年生代表 伊藤ゆいさん

琉大病院研修医を代表して伊藤ゆい先生よ り、「私達研修医の為にこのような会を開いて いただいて、誠にありがとうございます。思え ば六年前、医学部に入学いたしまして、夢と希 望を胸に6年間ここで頑張ってまいりました。 それ以来、医師になる事を目標に日々努力して まいりましたが、このたび試験に合格し、やっ と医師としてのスタートラインに立つことがで き、心よりうれしく思います。しかし、喜びと ともに責任の重さと不安も感じております。今 日から始まる2年間の研修が、将来どのような 医師になるか、それを決める大切な時期となる 事と思います。新社会人としての自覚をもつと 同時に医療に対する熱意を常に忘れる事なく、 今後も頑張って行きたいと思います。まだまだ 未熟な私達ではありますが、よろしくお願いい たします。」と述べていました。

坂梨又郎

琉球大学医学部 坂梨又郎 医学部長

最後に坂梨又郎医学部長より、「毎年このよ うに、研修医のためにパーティを開いていただ き、沖縄県医師会の先生方に心から感謝申し上 げます。国家試験等もずい分早くなりまして、 すでにその結果も出て、ここに研修医としてお られる事がご本人たちより、私の方が夢見たい な気持ちになっております。医師会長先生から もありましたように、どこで研修をするかとい う事は医師としての一生にとって重要で、大切 だとお話がありました。同時に、諸君がまず踏 み出していく第一歩を、ここでどのような患者 さんに接し、どのように諸君が考えていくとい うことが非常に重要であろうと思います。2年 間の初期研修が義務づけられ医学教育が8年に なった感がします。医師会の先生、琉大の先生 方、先輩方のご指導に恵まれるわけですから、 これからの一生の仕事としてつながっていく基 礎作りと考えられ頑張っていただきたい。こう いう機会を通じて交流を深められるのにお礼を 申し上げたい。」と乾杯の挨拶を述べられ、懇 親へと移りました。

新卒後臨床研修制度も3年目を迎えました。 今年度は早い時期のマッチング、それと前後し て卒業試験、早い国家試験があり、4月に医師 となり、一ヶ月も早く研修医・社会人としての 第一歩を進まれた今日、6年間の医学部を終了 したこと、国家試験に合格し無事医師になれた 喜びに満ち溢れていました。以前のように、卒 業後の一ヶ月間近く、人生で最後の永い休暇も 無く、2年間の初期研修に入るわけですが、研 修制度そのものについて、大きな不安は抱いて ない印象を感じました。まだ、第一ステップを 乗り越えた喜び、祝福の余韻の中にいるのか、 制度そのものが充分に認知されたゆえでしょう か。卒前・卒後教育が欧米にかなり遅れたとは 言え、徐々にその内容がステップアップし、更 に、直ぐに(数十年はかから無いと思います) 充実していくと思います。研修病院の大切さ (日常診療で多く遭遇する病気を経験し適切に 対応する、指導医の一貫性のある指導、プライ マリ・ケアにおける研修医のニーズに応じた事 例検討・レクチャー)、患者から学び・どのよ うに患者に接し、そしてどのように考えていく か(医療は常に患者と共にある:ウイリアム・ オスラー)、諸問題の解決(予防)は医療現場 にある、そして医療現場の立派な医師の生き方 を学び(メンターとロールモデル)若き医師達 の旅立ちへの素晴らしい餞の言葉に感謝すると 同時に、若き医師・研修医が会員の諸先生方の もとに来られた折りは日々の診療でご多忙とは 存じますが、彼らの良いところを多く引き出 し、そして良き医師として成長するようご指導 の程よろしくお願いいたします。

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