沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 5月号

前のページ | 目次 | 次のページへ

新執行部理事就任に際して

野原薫

理事 野原 薫

4月から宮城会長の新執行部を支えるために、南部地区医師会の推薦で理事に再任されました。今期で3期目となります。宮城会長の活動方針は医療の原点に戻り、「地域医療に根差した活力ある医師会」を目指しており、私も微力ながら新執行部を支えていきたいと思います。

私の職務担当は学校保健関係、母子保健事業の担当理事、対内広報の副担当理事です。学校保健関係では、学校医の地位向上に努めたいと思います。県内の多くの学校医が現在の学校医制度に疑問を持っており、学校医が進んで学校保健活動に従事できる環境作りを目指したいと思います。また、最近の学校保健では学校医の他に耳鼻科医、眼科医の専門医だけでなく、産婦人科医、精神科医、整形外科医、皮膚科医などの専門医も求められており、学校保健活動と医療の関わりをもう少し明確にする必要があるのではと考えています。対内広報は医師会内の広報活動で、主に会報発行を行っていますが、医師会の原点である学術団体として会員に必要なup-to-dateの医療情報の発信に努めたいと思います。また、医療活動に必要な医療保険関連の情報も発信できたらと考えています。

医師会員はA会員、B会員及びC会員(公務員医師会)から構成されますが、A会員は病院と診療所に分かれており、同じ医師会員でもそれぞれ立場が異なっていますし、更に診療科も様々です。私は診療所、小児科医の立場から医師会活動に携わっていきたいと思います。(勿論、医師会員はすべて医師ですので、基本的にはその立場は共通です。)

新執行部就任ご挨拶

今山裕康

理事 今山 裕康

私はこの2年間、医療保険担当理事として今までにない多くのことを経験させて頂きました。そのひとつに社会保険事務局と県医務国保課が共同で行う個別指導の立ち合いがあります。個別指導には新規と一般があり、新規個別指導は開業後6ヶ月以上経過した医療機関が対象です。一方、一般個別指導の対象は毎年3月に行われる選定委員会で決められます。その選定基準は示されますが、選定理由が明らかにされることはありません。この2年間で50件以上の個別指導に立ち合いました。その経験から今後の課題について考えてみたいと思います。個別指導で医療行為そのものが問題になることは殆どありません。多くの指摘事項は点数解釈(いわゆる青本)の算定要件を満たしていなかったり、記載すべきことが記載されていなかったりといったものが殆どであります。(診療録は極めて重要で、診療録に某かの記載があればよいのですが、何も書かれていなければ行為そのものがなかったことになり、場合によっては不正請求と判断されることがあります。)この様な指摘事項の多くは、医療機関が法令、規則、通知等を知らなかったり、誤解していたりといったことに原因があります。従って、今後は会員の法令遵守および通知等の周知徹底が課題と考えられます。

さらにもうひとつ、会員からの診療報酬請求の審査に関する苦情、疑義照会があります。これが2005年4月より急に多くなりました。その都度対応させて頂いていますが、支払基金と国保連合会の審査に差異があることは事実であります。従って、審査基準の差異に関する問題に臨機応変に対応する為に2006年2月、第40回医師会理事会で医療保険研究委員会内に両審査会と県医師会の3者による作業部会を設けることを承認していただきました。また、この問題は2005年度地区医師会連絡協議会の議題となり、協議会の中で両審査会と県医師会宛に決議文が採択されました。これを受け、県医師会が審査基準の差異問題に対し積極的に関与していく必要があり、これに尽力したいと考えております。

また、以上のような課題に対し重要なことは会員向けの情報公開のあり方であり、今後は可能な限り情報公開に努力していきたいと考えています。

前のページ | 目次 | 次のページへ