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「世界保健デー(4/7)」について

知名保

南部保健所中央保健所 所長 知名 保

「国際○○年」とか、「世界□□デー」という字句を見る機会は多いことだと思います。国際社会が力を合わせてある問題に取り組もうという意志表示ですが、世界保健デーはその中の一つです。世界保健機関(WHO)が1946年に設置された翌年、「全ての人が可能な最高の健康水準に到達する事」を目的に掲げWHO憲章が採択され、1948年4月にこの憲章が発効しました。それ以来、毎年この日を記念して4月7日を世界保健デーとして記念行事が行なわれるようになりました。

1980年の第32回世界保健デーのテーマは「喫煙か健康か、選ぶのはあなた」として、喫煙の健康被害についてキャンペーンが行われました。その他、エイズなどの感染症も取り上げられています。世界禁煙デーや世界エイズデー、世界結核デーも別に定められていることを考えると世界保健デーは広く健康問題全般について扱っている事が窺えます。

WHO憲章の精神を普及させてその目的達成に寄与するための記念日だと言えます。

県や市町村、医師会、健診機関など保健医療関係機関がさまざまな取り組みを行なっております。健康課題全般に対する取り組みですから健康日本21や健康おきなわ2010のシンポジウムを開いたり、今日であればメタボリックシンドロームの予防のための健康チェックを行なうところもあります。今、各地で進められている健康日本21や健康おきなわ2010は、10年間の健康づくり運動ですので、年に一度の記念日である「世界保健デー」を掲げて運動に弾みをつけるのも効果があるのではないかと思われます。

特に我が沖縄県では世界保健デーの主旨を県民に知らせる必要がありましょう。それは、1995年に世界長寿宣言がなされて間もない2000年には、沖縄県男性の平均寿命が26位に後退し、健康おきなわ2010推進県民会議では危機緊急アピールが採択され、長寿県が揺らいでいる最中の去る3月、社会保険庁から「沖縄県の肥満、5年連続全国一」が示されたからです。県の健康順位をあげるために生活をしている人はいないにしても、沖縄県民ひとりひとりが「世界保健デーは自分自身に向けられた呼び掛けである」ことを自覚し、自らの生活様式を改善し、ひいては揺らいでいる長寿県の座を確かなものにしたいですね。