沖縄県医師会 > 沖縄県医師会の活動 > 医師会報 > 4月号

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沖縄県医師会会長就任の挨拶

宮城信雄

会長 宮城 信雄

稲冨洋明会長は「開かれた医師会」を目指した比嘉国郎会長の後を継がれ、それを発展させる形で「信頼される医師会」を目指して医師会活動を展開されてきました。「県民公開講座」や「県民との対話」等を通して大きな成果をあげてきました。私はそれらを引き継ぎさらに発展させていくと同時に、次期沖縄県医師会の活動は医療の原点に戻り、「地域に根差した活力ある医師会」を目指していきたいと考えております。

地区医師会は日常診療や予防接種、学校保健、健康相談等を通して地域住民や自治体と密接な信頼関係を築き上げてきました。県医師会として地区医師会と連携を保ちながらより一層スムーズに地域医療や地域での医師会の事業が展開できるように協力関係を強化していきたいと考えています。

沖縄県医師会は「基幹病院」や「高度・多機能病院」構想に対して多くの提案をしてきました。このことは「県立病院のあり方」にとどまらず、沖縄県の医療の在り方が問われていたからであります。沖縄県は離島・へき地医療や医師の偏在等数多くの難問題を抱えております。私は医師会が中心になり琉大や公的病院を含めて問題解決のための提言を行っていくとともに、医療連携を柱とした「地域完結型医療」が定着するようにしていきたいと考えています。

男性寿命26位ショックがありました。女性1位の座も赤信号が灯っています。沖縄県は「観光立県」を目指し「長寿の島」「癒しの島」を売り物にしています。「観光」を支えている医療や福祉がいかに大切か、医療や福祉をおろそかにし「長寿の島」でなくなると「観光立県」にも陰りが出てきて県民生活にも大きな影響がでてきます。医師会として保健・医療・福祉を通し沖縄県に多くの提言をしていく所存です。

「沖縄県医師会会館」建設に関してです。稲冨会長は「任期中に会館問題に方向性を出す」と方針を出され検討してまいりました。現在地に建て替えるのではなく県所有の「農場試験場跡地」と「等価交換」をし、自前の会館を建設するとの結論を出し代議員会でも承認されました。等価交換をする土地が当初の場所と変更になったこともありスケジュールが多少遅れてはいますが、県当局と鋭意交渉中です。私は任期中に医師会活動の拠点となる「会館の建設の実現」を図っていきたいと考えています。

幸いにも玉城、小渡両副会長を始め有能な理事に新執行部として選出して頂きました。会員の付託に答え「地域に根差した活力ある医師会」を目指して頑張っていく所存であります。会員各位のご協力、ご鞭撻の程よろしくお願いして申し上げましてあいさつと致します。

沖縄県医師会副会長就任のご挨拶

玉城信光

副会長 玉城 信光

副会長に推薦していただきました。10年ぶりの県医師会の仕事でどの様に活動をしていくか多少とまどっていますが、宮城信雄会長を支え会員のために、また県民のための医師会活動をしていきたいと考えています。

副会長としての最初の仕事が4月1日の日本医師会会長選挙です。この度の診療報酬の引き下げなどをめぐり会長の選挙が行われます。会報が出るころには日医の会長も決定しているでしょう。力強い医師会の基礎が創れるでしょうか。トップの動きも大切ですが、何よりも地域における会員一人一人の力の結集が国民世論を動かす原動力になると信じています。

医師一人一人は患者さんや皆から尊敬されているように思われますが、医師会となるとどうして嫌われるのでしょうか。理解のできない大きな疑問です。この疑問の解消を図るためにも、県民が理解しやすい医師会活動、公開された情報が必要と思われます。

沖縄県にも多くの課題が山積みです。北部や八重山の産婦人科の問題。小児科の救急などを含めた小児科の問題、どのように解決をつけたらよいのでしょうか。皆さんの知恵を拝借しながら沖縄県、県立病院、琉大と議論の場を医師会が中心になりながら作っていきたいと思います。沖縄県の医療、保健に関することの中心的役割を担う医師会でありたいと思います。県民が理解しやすい医師会活動をしていくことが大切かと思われます。

また医療の安全に関しても医師会として取り組んでいくべき重要課題です。医療事故を防ぎ、同じ過ちをしないための方法の確立、可能な限りの情報公開と会員がトラブルに巻き込まれた時に迅速に支援できる組織を創設できればよろしいかと考えます。

そのためにも医師会の活動の中で協議事項を増やし、時には専門的な委員会を設置し、事の解決にあたることも大切でしょう。やらなければいけないことが多い大変な時期に役員になったかもしれないと思っています。

また今期の執行部の大切な事業のひとつに医師会館の建設があげられます。これまでに先生方が積み上げてきた議論や県との話し合いに基づいて早急に会館の建設に当たらなければいけないでしょう。多岐にわたる医師会の事業を1年でできること2年かかることと仕分けをしながら、計画的に進めることが重要かも知れません。

宮城会長はじめ新執行部の皆さんと事務局の皆さん、そして何よりも地区医師会の会員の皆さんのご協力がなければ医師会活動の発展はないと思います。よろしくご支援のほどお願い申し上げます。

これからの県医師会活動に向けて

小渡敬

副会長 小渡 敬

去る2月16日の臨時代議員会において、中部地区医師会の推薦を受け、沖縄県医師会副会長に選任され、その重責に身の引き締まる思いであります。私は浅学菲才で、県医師会に持ち込まれる様々な問題や案件を迅速に処理するには、まだまだ充分な見識を持ち合わせておりませんが、新執行部の先生方の力をお借りし職務を遂行し、医師会会員の便益を図ると同時に、県民の医療・保健・福祉の向上に貢献したいと考えております。

わが国の医療は、第5次医療法改正を目前に控え大きな変革期にあります。また、昨年12月1日に政府・与党が「医療制度改革大綱」を決定し、今後の医療改革の方向性を示しております。その基本的な考え方は、(1)「安心・信頼の医療の確保と予防の重視」、(2)「医療費適正化の総合的な推進」、(3)「超高齢化社会を展望した新たな医療保険制度体系の実現」であります。これらは医療費の削減や、医療への信頼を強く求めるものであり、これからの医療界はさらに厳しい時代になることを示唆しています。新会長の宮城先生は、「厳しい状況の方がやりがいがある」と話しておられるので、日医と連携を図り、私も出来る限り会長を補佐していきたいと考えております。

県医師会の懸案事項としては、肥満や自殺予防の対応および高齢社会に向けての認知症の対応を通して「活力ある長寿県の復活」、次に「離島・へき地医療の確保」、「健康福祉立県構想の具体化」、「健康沖縄2010の推進」、「介護保険制度改正後の対応」、「県医師会館建設の推進」、さらに県民の医療・保健・福祉の向上を図るために県保健福祉部との連携を密にし、医政活動を通じて、「県行政内での県保健福祉部の権限の向上を図る」等々山積した状態にあります。

いずれにしても、これらの懸案を一朝一夕に解決することは容易なことではありませんが、現在、仕事の準備や事前の用意、打合せ等を行う事務局の職場環境や委員会等の会議室が整備されていない状況にあります。「衣・食・住満ちて礼節を知る」という言葉があるように、質の高い仕事をするためにも、早急に県医師会館の建設を実現することが必要であると思われます。また、我々会員を含め、県民が誇りを持てるような県医師会館を建設することが肝要であると考えます。

新執行部のスローガンは、宮城新会長が掲げた「地域に根ざした活力ある医師会」であります。これからの2年間、それに向けて取り組んで行きたいと考えております。会員の皆様の県医師会に対するこれまで以上のご協力と、ご教示、ご指導を宜しくお願い致します。

平成18年度新執行部に就任にあたり

真栄田篤彦

常任理事 真栄田 篤彦

平成18年度も再度のマイナス診療報酬改定で3.16%という、医療機関にとって非常に厳しい医療構造改革の中にあります。去年の社会全体をみると、耐震構造計算不正や防衛庁の不正入札事件、狂牛病不正処理事件、偽メール騒動事件等の種々の不正が露見しており、日本の安全・安心がいかに蔑ろにされているかが問われる一年でした。経済財政諮問会議などを重用している小泉政権の在り方は、まさに表面さえ露見せねば何でも在りの様相が見え隠れしています。

市場原理最優先の結果、米国では医療保険未加入人口は4,000万人にも達しているというのに、日本の医療制度に米国仕様の市場原理主義を導入しろと公言している。「諮問会議委員の皆さんもっと勉強してくれ!」と叫びたい心境です。

バブルの時代に国民年金保険財源を湯水のごとく浪費して国民年金会館や保養施設を全国に建設してできた年金財政破綻を国民に皺寄せして、国の借金を国民に肩代わりさせることを平気で語る国会議員などなど、自分たちの責任を取りもせず、何時の世にも見られる貧乏くじを国民に引かせる為政者達。日本の大事な舵取りをするのであれば、内閣へ入閣する先生方も、医師国家試験ならぬ「為政者国家試験」を民間へ委譲して規制緩和策で出来る入試を経てから合格者のみが入閣するとかしては如何か?

もっとも合格率は察しがつきますが、内閣不成立になっても困るが・・・内閣府も規制緩和の一環として民間に委譲しては?

4月1日のエプリルフールの気分で語ってみましたけれども、医療機関においては上記のようないい加減な医療は出来ません。会員の先生方も今年度を何とか乗り切るよう努力されていることと推察いたします。

安心で安全な医療を従来通りこれからも実施して、患者である国民自らが気づいていない有り難さを再認識してもらえるよう対外的にもアピールして行きたいと考えています。

これまで私は、比嘉國郎元会長2期、稲冨洋明前会長の下で2期勤めてきた沖縄県医師会理事会の中にあって、気が付けば最古参の理事に該当します。

私のスタンスは常に会員の中において、行動を取るよう心がけて参りました。今後も医師会員の先生方とスタンスを同じくして、医師会活動および医政活動等を先生方のご協力・ご指導を得ながら邁進していきたいと決意しております。

今後共何卒宜しく叱咤激励のほどお願い申し上げます。

新執行部就任ご挨拶

安里哲好

常任理事 安里 哲好

平成18年度で4期目となります。どうぞよろしくお願い致します。私が主に関わってきた事や新執行部として中心課題としていただきたいと思うものを述べます。最初の1期は主に医師国保と産業保健を担当して、全国を行脚し見聞を広めました。2・3期目は産業保健、労災部会、卒後医師研修および指導医の育成、学術・生涯教育、勤務医部会、ICLS研修、メディカルコントロール作業部会(救急救命士の育成)や時々九州医師会連合会の医療制度政策協議会や保健医療福祉事業団・健康増進センターの改革に参画しました。その中で強く感じた点を記したい。

労働者50名以上事業所の産業医選任状況は70%前後で、おおよそ7万人前後の労働者は健康管理下(健康や疾病について相談できる)にあり、29万人近くの労働者・県民の健康管理について産業医は関わっていない(公営事業署の労働者70,364人を除いて)。

一方、3月11日の新聞に2000年の男性平均寿命が26位に急落した「26ショック」以降、県医師会などを中心に肥満改善を訴えてきたが改善は見られないと書いていた。県行政も色々な所で努力しているが県民やマスコミにはまったく知られていないし、認められていない(まだ準備段階の範囲なのだろう)。保健医療福祉事業団は50億円前後の基金(医療費の還付金が県民に還付されず、保健医療福祉に使用する目的の基金となった)があり、平成18年度は人件費を引いても年1億余の予算がある。それを長寿立県復活の基点にしたらどうかという意見を述べたが、県福祉保健部がその事をやっているから二重になると言っていた。はたして、二重になるのか、二重になって何か問題があるのかと思う。50億円前後を県の債務補填に当てると一瞬にして無くなります。新進気鋭のスタッフを結集し、労働者の健康管理・指導も含め長寿立県奪回の基点になればと切に願っている。県民は先の大戦で多くの犠牲者を出し、今ここに、新たな21世紀の危機に直面していることは誰もが知っていることであろう。「肥満」および「メタボリック症候群」と戦う人は誰か、戦う仲間は誰か、戦う輪はどのように広げるかと心に強く感じています。

もう一つ、平成19年10月頃に全国医師会勤務医部会連絡協議会が当県開催予定で、沖縄県医師会勤務医会アンケート、特別講演、シンポジウム等へのご協力をいただきたい。3月の医師会報で勤務医は医師会の仕事にあまり関心が無い、また利益団体としても、圧力団体としても形骸化しているのに政治活動的干渉をされるのは耐えがたいという意見もあり、意気消沈しているところですが、勤務医代表の理事として(担当理事の二人は大学病院と大病院の院長が担っている現状を改善し)県医師会の理事会に出て現場で拾い集めた意見を医師会で主張する環境をつくり、密なる交流が成されることを願うと同時に、もっと勤務医に対して何ができるか、そしてアピールできるよう努力していかなければと思っています。

更に、もう一点は新医療計画(平成19年度立案、平成20年度公表・実施)における行政の事業計画立案および実践と互角に、そして共に推進できるよう医師会においてもワーキンググループを作り対応する必要があると思われます。

沖縄県医師会理事就任挨拶

嶺井進

理事 嶺井 進

宮城信雄新会長のもとで、理事として新執行部に席をおくことになりましたので、よろしくお願い致します。

医療施設の経営は、診療報酬の破壊的な引下げ、医療関係者の人材不足、医療に対する国民の不信の三重苦のもとで喘いでいる。

個々の努力では如何ともし難く、我国の医療の実態を国民に知ってもらい、医政活動を通じて医療改革につなげるしかないと思われます。

これから、我々がやるべきことを 1)すぐ出来ること、 2)5年後中期計画、 3)10年後長期展望に分けて、さしあたっては、特に看護師、助産師の養成について、引き続き行政と協力して強力に推進していきたいと思っております。

沖縄県医師会理事に就任して

大山朝賢

理事 大山 朝賢

代議員や医師会会員の皆様、県医師会理事として再度承認して頂き誠にありがとうございました。「信頼される医師会」を旗印にがんばられた稲冨洋明会長のもと、私は地域保健を担当して参りました。ご指導頂いた稲冨会長は、残念ながら、ご勇退されました。稲冨先生、長い間の会長職、本当にお疲れ様でした。

地域保健担当理事としてのレパートリーは広く、I.情報システム(ORCA事業)、II.予防医学(公衆衛生、薬剤、血液)、III.健康教育、IV.環境問題対策(医療廃棄物も含め)、V.診療情報提供推進事業等があります。

I.ORCA(Online Receipt Computer System)の方は日医総研でかなりいい線をだして、日医の方は鼻息が荒い。

II.平成12年の男性平均寿命26位ショック(1位長野県78.90歳、本県77.64歳)で、「健康おきなわ2010」が県福祉保健部で平成14年1月策定された。平成22年(2010)までに県民の健康の効果的な実現を目指し、以下の項目の改善と向上をめざして県民に呼びかけた。「健康おきなわ2010」は、(1)栄養・食生活と身体活動・運動、(2)タバコ、(3)アルコール、(4)歯の健康、(5)休養と心の健康づくり、(6)糖尿病、(7)循環器病、(8)がん等に対し「統括分野別検討委員会」を設置し、その「推進検討委員会」と一緒に「健康おきなわ2010県民会議」への提言と活動の輪を広げています。県医師会では“県民公開講座”、“マスコミとの懇談会”、“医療に関する県民との懇談会”等それぞれ年3〜4回開催し、これら全般を推し進めています。地域保健担当の「健康おきなわ2010推進検討委員会」はこれまで“沖縄県医師会禁煙宣言(十か条)”、“禁煙ポスターやパンフレットの作成配布”、“医療従事者の喫煙状況調査”等、主としてタバコを中心に活動してきました。アンケート調査では本県の医師会医療従事者のうち、男性34%、女性12%が喫煙者で、「健康おきなわ2010」の目標ー喫煙率男性30%、女性10%以下ーには、禁煙活動も道半ばといったところです。そこにショッキングな報告、生活習慣病と密接な関係にある肥満(BMI25以上)の成人が全国で本県が男女ともトップで、男性は2人に1人(46.9%)女性は4人に1人(26.1%)が肥満との数字を目の当たりにすると“肥満をなんとかせねば”との思いが強くなりました。

V.医療関係の産業廃棄物は年間千トン(県全体では194万4千トン)と少ないのですが、感染性廃棄物の関係で県文化環境部との関わりが深く、沖縄県環境審議会委員、沖縄県公害審査会委員等も兼務しています。

地域保健担当理事として、私にとってはとても荷が重い感じがしますが、“地域に根ざした活力ある医師会”を理念として会長になられたパワーあふれる宮城信雄先生のもと、誠心誠意努力いたしますのでよろしくご指導ご鞭撻のほどお願い申しあげます。

沖縄県医師会理事就任にあたって

金城忠雄

理事 金城 忠雄

この度、南部地区医師会から推薦を受け県医師会の理事の一員に加えさせて頂くことになり恐縮しております。私は長年勤めていた県立病院産婦人科を平成16年の3月に退職し、現在は沖縄県総合保健協会で、もっぱら健診業務を担当しています。当直と入院患者から解放され、アフターファイブは、自由時間があり、好きな本も読めるし、本来の自分の性格に合う落ち着いた環境に居ります。

沖縄県医師会活動は、会報で知ること以外不案内ですが、元理事の方から、諸々の会議や県外出張の多さなどその多忙さをお聞きして災難に会ってしまったような思いです。私にその役目が勤まるか少々不安です。できれば、もっと活力とセンスのある方に活躍して欲しいところです。

推挙して下さった南部地区医師会の永山 孝会長の名を汚さぬよう、なんとか役目をこなしたいと思案しているところです。

産婦人科医会の糸数 健支部長からは、助産学科の復活、母体保護法指定医師審査や周産期問題などアピールすべき案件も多いし、良い勉強になるからと励まされております。

理事の責務を果たせるか気がかりではありますが、会長はじめ会員皆様のご教示とご指導を得て、役目を務め上げたいと思っておりますので宜しくお願い致します。

理事就任に際して

瀧下修一

理事 瀧下 修一

私は、琉球大学医師会代表として平成16年4月から沖縄県医師会の理事を務めさせて頂いています。この度、琉大医学部附属病院長に再選された結果、2月の代議員会で理事として選任され2期目を迎えることになりました。

この2年間は私にとって、全く経験したことがないものでした。琉大の法人化後の初代附属病院長として病院経営の改善に取り組むことになりました。その中で、医療機器や施設の改善のように具体的に手が打てるものは限られていますが、何とかやりくりをしています。我々自身が実際にできることとして、患者指向の医療のために医療の質、安全、職員の意識の向上を図ることが重要であり、一層の努力が必要と考えています。高度先進医療の実施も重要ですが、皆様との病病・病診連携の促進を図るべく地域医療連携連絡協議会を立ち上げました。協議会には他施設からも委員として参加して頂いています。また、2年前から始まった新医師臨床研修制度の中で、研修の実が上がるように指導医および先輩の医員が負担を負いながら頑張っています。この制度のため、2年間従来の入局はなく、診療活動のマンパワーを維持するために医員の増員を行いました。この4月には、2年間の研修を修了した研修医が新たに医員として雇用され診療科に所属することになります。医員の増員に要する経費は病院の収益から捻出しなければなりません。しかし、病院機能の向上、良質な専門医の育成は当院の使命と考えています。

このような中で、医師会の理事として県医師会活動に参画できたことを感謝しています。毎週火曜日夜7時半からの理事会には時間の許す限り出席しています。会長をはじめ理事の方が医療問題のみならず県民の健康増進、福祉の向上などを具体的に図るために熱心に話し合う場であり、大変多くのことを学ばせて頂いています。何よりも医師会活動の透明性を確保し、県に提言するとともに県民、マスコミに直接働きかけていることは素晴らしいことだと思っています。琉大病院、琉球大学医師会も目的をもって外に働きかけること、連携を図ることの必要性を認識するようになりました。今以上に他の医療機関との学術・診療・検査技術などでの交流、県医師会が行う諸事業への積極的な参加などに努める必要があると思います。特に重要な課題は、離島・僻地医療や産科・麻酔科・脳外科医などの不足・偏在を解決するために、県および医師会と共に協議する場を早急に作ることです。従来、沖縄県の医療は県が県立病院を中心として支えて来ました。新参の琉大医学部・病院は既に出来上がっていたシステムの外に置かれ、無視されて来たのが現実です。しかし、県立病院が優秀なレジデントをいくら輩出しても上記の問題が生じ、益々拡大しようとしています。

これまで私自身は理事の職務分担の中で学術部門を担当してきました。同じ職務を継続させていただけるのであれば、医師会医学会では会長を補佐し総会の充実、一般演題のWeb上の募集、データベース化を図って行きます。生涯教育の一環として開催される学術講演会や研修会の支援など多くの事業を行うとともに、学術の枠を超えた医師会活動に参画したいと思います。皆様のご指導とご協力をお願い申し上げます。

理事就任にあたって

村田謙二

理事 村田 謙二

愛読する司馬遼太郎の著作の中に「地位が人を作る」という言葉を見つけて以来、私は頼まれた役職をなるべく断らないように生きてきた。本心ではひるむ心を押さえつけながら。そのせいか(成果?)現在、公務員医師会の副会長と、医業とは全くかかわりないが、那覇市天久1、2丁目の自治会(天久ピアザ自治会、加入数約200世帯)の会長を務めている。

しかし今回、前任の下地武義先生から県医師会の理事にとの話があった際には、再三お断りした。県医師会の機構も知らない私に勤まるはずが無いと思ったことと、県立南部病院の移譲に伴い南部医療センター、こども医療センターへの転勤が決まり、10数年遠ざかっていた心臓手術や新生児手術の麻酔の勉強を一からやり直さねばならないと思っていたからである。最終的には複数の方々から推薦を頂き、引き受けることになった。受けたからには新会長の宮城信雄先生の掲げる理念の元に微力ながら全力投球のつもりでいる。ことに、県立病院と県医師会とのパイプ役は私の責務だとも感じている。

私は、専門は麻酔科であるが、ずっと救急医学にも興味を持ち続けてきた。特に救急体制には関心を払ってきた。本土で長く働いてきて思うことは、沖縄の中部病院を中心にした救急のシステムは患者側に立てばすばらしい制度である。しかし、残念ながら県民はそのありがたみをあまり感じず、場合によってはそれに甘えて医療者側の疲弊を招いている。政治、行政、そしてマスコミに携わる人々もどこまでその認識ができているのか、大いに疑問である。これらのことを少しでも発信できたらと考えている。

自己紹介が後になって恐縮だが、私は村田という姓から本土出身とよく誤解される。しかし、沖縄生まれの沖縄育ちである。祖父は戦前まで今帰仁村でただ1人の医師であったと聞いている。馬が好きで馬にまたがり往診をしていたそうな。父はそんな祖父の後を継ぎたかったが、戦後の混乱と結婚して子供二人もいる状態からのスタートだったので、医師を断念して歯科医となりコザ市の諸見里、後に那覇市の松山で開業医として働いた。私は幼な心にも周りの期待を受け入れていたらしく、小学生の頃から医師になりたいと言っていた。中の町小、那覇中、那覇高と進み2浪の末、昭和46年広島大学に進学した。昭和52年卒業後は母校の麻酔科に入局し、44歳までは大学や関連病院で勤務した。12年前、義父が脳卒中で倒れたのをきっかけに沖縄に帰省し、縁あって南部病院に就職し今日に至っている。ちなみに妻は那覇高時代の同級生であり、双子の娘達がいて、一人は妻の職業である薬剤師を目指しており、今春、徳島文理大学の最終学年、もう一人は自治医科大学の3年生でドクターコトーにあこがれている。ドラマと現実は大きく異なるが、今は教えていない。

県医師会に籍は置いていたものの右も左もわからぬ新参者。こんな私で理事の重責が務まるのか、私自身もいささか不安ではあるが、皆様のご助言、ご指導を期待して任を果たしたいと願っている。

新執行部就任ご挨拶

幸地賢治

理事 幸地 賢治

これまで、前稲冨会長のもとで医師国保組合と共済会を担当して参りました幸地賢治です。

国民健康保険組合の一形態として発展してきた医師国保組合も行財政改革のあおりを受け、困難な時期を迎えております。昨年の所得調査により富裕組合と見なされた事もあって補助金の削減が実施されます。このような財政に対する圧迫は今後とも続く事が予想され、先生方には医師国保組合の健全な発展のため、より一層のご協力を頂かなければなりません。宜しくお願い申し上げます。

もう一期頑張れとのご下命がありました。力不足とは思いますが上記の事をふまえながら、一所懸命頑張りますのでご協力を賜りますよう宜しくお願い致します。

サポート体制の強化を

稲田隆司

理事 稲田 隆司

宮城執行部の理事を拝命致しました。

医事紛争・医療安全対策担当を3期努めましたが、今期は、医事紛争の当事者の先生方のサポート体制の強化を目指したいと存じます。

良かれと思い共に疾病に立ち向かってきた者同士が、「臨床の落とし穴」医療事故を契機に対立してしまうという構図は患者さん、医師相方に大変重たいストレスを与えます。

「明日は我が身」で会員相互の支援体制の構築を図るべくサポート委員会(仮称)を立ち上げる予定です。

会員の先生方の御指示御支援の程をお願い申し上げます。

新執行部就任ご挨拶

玉井修

理事 玉井 修

沖縄県医師会の執行部として私が参加できる事を大変誇りに思っております。

特に、琉球大学医学部卒業生としての執行部就任は私にとっても名誉であり、琉球大学出身の多くの優秀な人材を沖縄県医師会へご紹介できる橋渡しになれるのではないかと期待しております。琉球大学医学部の4期生として私は卒業致しました。現在も多くの先輩後輩とは密接な交流があり、多方面に活躍されている多くの卒業生に私を通じて医師会という新たな活躍の場を提供できるのではないかと考えております。今まで以上に琉球大学卒業生の医師会活動への関わりを密接にし、医師会活動全体を盛り上げていきたいと願っております。

琉球大学卒業生に限らず、多くの若い医師が次々に輩出され、これからの沖縄県の医療を担う新しい人材が次々に育成されてきます。新臨床研修医制度も3年目を迎えて、沖縄県医師会の果たす役割は更に大きくなっていきます。研修医に人気の沖縄は、これからが本当の正念場です。医師会の果たすべき役割をしっかり考え、若い世代が積極的に医師会活動に関われるように環境を整備し、多くの患者さんと真摯に関われる優れた医師の育成に医師会が携わることができたら良いと思います。

これまで2期4年間、那覇市医師会の広報担当理事として医師会活動を行って参りました。その間県医師会の仕事にも多く関わらせて頂いた事が今回お声をかけて頂くご縁になりました。4年間の那覇市医師会の仕事を通じて思ったのは、地道に継続していくことがとても大切であるということ。那覇市医師会も県医師会もこれまでの長い実績の上に成り立っており、継続こそ力を常に肝に銘じて参りました。煩雑な仕事は時に投げ出したくなることもありますが、そのようなときも今を積み上げる事に私なりに精一杯取り組んで参りました。県医師会の執行部としても、常に患者、県民の立場を考えながら、医師会の担うべき仕事を粘り強く継続していきたいと思います。

自分の診療所を抱えながら医師会活動を継続していくことは、困難なことが多く、自分自身の精神力を常に問われ続ける事になると思います。タフな事になります。何をすれば良いのかを他人に伺うことはせず、まず自分自身に問うこと。誰かに評価されることを望むことはなく、何もかも捨て去った最後に自分自身の自我を超越することを今は考えております。

話は変わりますが、先日私の恩師からお手紙があり、理事就任を記念して、私の顔写真が理事としてはあまりに軽るすぎるので髭を生やしてみたらどうだろうかとご提案がありました。髭は7〜8年前に一度だけ試みた事がありますが、貧相な顔になった記憶があります。しかし、折角のご提案ですのでいずれ挑戦してみたいと思っております。えっ?髭に挑戦するよりもトゥーランドッドにのせてイナ・バウアーに挑戦して欲しいって?背骨が砕けそうですなぁ。

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